ワークライフバランスの意味の大切さ

ワークライフバランスをよくしたいと考える看護師は多くなりました。社会的にもワークライフバランスを保てるような待遇を求めるようになっていますが、しばしば正しく意味を理解できていない人もいます。ワークライフバランスとは、仕事とプライベートのバランスを単純に意味するものではありません。仕事とプライベートの相互作用により、どちらもさらにいいものにするという考え方です。仕事をすることで私生活が楽しくなり、プライベートを通して仕事へのモチベーションが上がっていくといった形で、一方があることで他方がさらに充実する状況を示します。

看護師にとって重要なのは、仕事一辺倒の生活にならないように、プライベートの時間を確保できるようにすることだけではありません。仕事の時間も十分に取って働けることに満足し、家に帰ったときには気持ちを切り替えてプライベートを心から楽しめる環境を整えることも必要になります。

職場を選ぶ際には、この両方を理想的なバランスで実現できるかを考えることが重要です。本当にワークライフバランスを保てているのかという疑問を抱かずに済むようにするためには、仕事とプライベートのそれぞれで細かく目標を立てることが大切でしょう。両方の目標を達成できるような待遇がある職場を選べば、ワークライフバランスは自然に保たれるはずです。ただし、どちらかに無理が生じるようだといい相互作用は生まれないので、時間的にも精神的にもゆとりがあるに越したことはありません。

看護師の転職理由として多い問題

看護師の転職理由として多いのは、年収や人間関係に関わる悩みです。年収については、就職して間もなく比較的高い水準になるものの、それ以降にあまり昇給の機会がありません。年収が伸び悩んでいて、もっと稼げるようになりたいと考えて転職することがよくあります。また、職場の人間関係がうまくいかずに転職するというパターンも、就職してから数年の間に起こっているのが実情です。転職理由として、この2つ以外に増えてきているのがワークライフバランスに関わるものとなっています。

生活を充実させながら仕事もしっかり行いたいという看護師が増えているものの、現実的に子育てや家事と仕事を両立するのが難しいケースは少なくありません。その状況から脱却するために転職する事例が増えているのが現状です。両立が難しくて退職してしまう看護師は多かったものの、転職によって働けるようになるケースが多くなりました。専業主婦になってしまっている潜在看護師を現場に引き戻す目的で、子育てや家事との両立を行いやすいように待遇を調節している求人が増えてきたからです。予め子育てや家事を見据えて結婚前後に託児所があって日勤のみの職場に転職したり、やはり両立が難しかったから勤務時間の短い職場で働こうと出産を終えてから他の職場を探したりする看護師が多くなっています。

女性が多い影響で、看護師のワークライフバランスを考えるうえでは子育てに関連する問題が大きく、その点で待遇をよくしている求人が人気です。このように、看護師は状況に合わせて転職をし、勤務形態を臨機応変に変えることが可能になっています。